レインボー・イン・マイ・ソウル
魂が漂流している無名の38歳による日記。
【映画】マイ・ブルーベリー・ナイツ
2008年 03月 17日 (月) 02:08 | 編集
「マイ・ブルーベリー・ナイツ」オフィシャルサイト

ブルーノートの歌姫ノラ・ジョーンズの映画初主演作。

「距離」をテーマにした映画らしい。ニューヨーク→メンフィス→ラスベガス→ニューヨークと主人公エリザベスは移動する。物理的な空間を移動するだけでない。

ジェレミーとの距離もいまどきの映画からすると微妙に保たれたままだ。互いに好意を抱いていて、遠く離れた場所からの手紙だけが唯一の交流手段である。1年ぶりにニューヨークのジェレミーの店で再会する。つくりもののウェットさはない。好意を持つもの同士でも、こう会うだろうというリアルさがある。そしてラスト。なんて愛らしくやさしいキスシーンなんだろうか。相手に対するあたたかい気持ちに満ちている。過剰な演出ばかりがまかりとおる時代に、シンプルで美しい。

ウォン・カーウァイがつくる映像は美しい。フィルムの濃淡、色の鮮やかさにあふれている。
そしてサウンドトラック。すばらしい楽曲ばかりなのだが、決して浮いてはいない。ストーリーになじんでいる。サントラを買おう。映画抜きでも楽しめそうだ。

ノラ・ジョーンズは、本業の若いのに味わい深きサウンドに負けないくらいキュートだった。でも、この映画以外に魅力的に見えるかというと、どうなんだろうか? 作品と監督を選ばないと難しいだろうな。少なくとも、この映画でのノラはよかった。

ジュード・ロウもじつに色っぽい。男でもそう思った。

映画としては80点かな。


【ストーリー】
恋人の心変わりで失恋したエリザベス。
彼の家の向かいにあるカフェに出入りするようになる。
店のオーナージェレミーと仲良くなり、ジェレミーは彼女のために、毎晩ブルーベリー・パイを残しておくようになる。
失恋の傷が癒えることのないエリザベスはある日、旅立つ。
そして、数ヵ月後、ジェレミーの元に一通のハガキが届く。
「あなたのブルーベリー・パイは世界一おいしい」。
ジェレミーはエリザベスの行方を追い始めるのだが・・・。

【作品情報】
監督・脚本:ウォン・カーウァイ
共同脚本:ローレンス・ブロック
出演:ノラ・ジョーンズ、ジュード・ロウ、レイチェル・ワイズ、ナタリー・ポートマン
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【映画】ガチ☆ボーイ
2008年 03月 05日 (水) 00:48 | 編集
ストレートで清々しい青春映画だった。笑いあり、ホロっとする場面もあり、気持ちがよかった。学生プロレスを題材にした映画ということでそそられたのだが、記憶障害を乗り越えるためには身体の痛みが伴う必要があるという説得力があった。

佐藤隆太はいい役者だ。木更津キャッツアイの頃から、勢いがあっていまどきのリアルなユース世代を演じられる役者が出たと思いながら見ていた。少し歳をとったわけだが、それでもあの世代特有の言語化しがたいリアリティを感じさせてくれるのは変わっていない。

ダルビッシュを籠絡したサエコも初めて見た。顔もバタくさいし、声も鼻につく。最初は良くないなぁと思いながら見ていたら、映画がよいのか分からんが最後にはいい女に見えてきたから不思議だ。

とまあ、いろいろ感想はあるが、いい映画だと思う。
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【映画】この道は母へとつづく
2007年 08月 29日 (水) 17:10 | 編集
「この道は母へとつづく」公式サイト

2005年、ロシア映画。10/27よりBunkamuraル・シネマでロードショー。

ロシアの辺境にある孤児院で育ったワーニャは、幸運にも裕福なイタリア人夫婦の養子に選ばれる。しかしある日、すでに養子に引き取られていった友達の母親が突然現れたことで、彼の心は大きく揺らぐ。「一目でいいから、ほんとうのママに会いたい」。募る想いを抑えきれなくなったワーニャは院を脱走する。追っ手を逃れ、心優しき人々に助けられながら、遂に母親の家を見つけるが…。(映画パンフレットより引用)


新聞に掲載された実話に基づいて作られた6歳の少年の冒険物語といったところか。現実のロシアでも、人身売買的な養子縁組が社会問題化しているらしい。よって、ドキュメンタリー的な要素も含んだ映画だ。

鑑賞の直前にパンフレットを読み込んでしまったため、ストーリー展開に驚きがなくなってしまい失敗だった。

孤児院に入ってしまった子どもにとってどんな環境が幸福なのかという論証が、もう少しあっても良かったのではないか、と思えなくもない。ラストシーンはあっけなくもあったが、子どもたちの未来が幸多いものであれという監督の願いがこめられていたのであろう。
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【映画】パンズ・ラビリンス
2007年 08月 28日 (火) 11:13 | 編集
パンズ・ラビリンス公式サイト

2006年メキシコ・スペイン・アメリカ合作映画。10/6恵比寿ガーデンシネマ他で全国ロードショー。

1944年のスペイン内戦下を舞台に現実と迷宮の狭間で3つの試練を乗り越える少女の成長を描くダーク・ファンタジー。『デビルズ・バックボーン』のギレルモ・デル・トロ監督がメガホンをとり、ファシズムという厳しい現実から逃れるため、架空の世界に入り込む少女を通じて人間性の本質に鋭く切り込む。イマジネーションあふれる壮大な視覚技術を駆使して生まれたクリーチャーや深く考察されたテーマに根ざした巧みな演出が衝撃的。

1944年のスペイン内戦で父を亡くし、独裁主義の恐ろしい大尉と再婚してしまった母と暮らすオフェリア(イバナ・バケロ)は、この恐ろしい義父から逃れたいと願うばかり自分の中に新しい世界を創り出す。オフェリアが屋敷の近くに不思議な迷宮を見つけ出して足を踏み入れると、迷宮の守護神が現われ彼女に危険な試練を与える。(シネマトゥデイから引用)

大人が見るに耐えうる映画だった。とりわけ映像が美しかった。

ファンタジーを夢見る少女、それと対比するかのような戦争という名の暴力。少女の無垢さをいたずらに礼賛するわけではない。少女の母親はあっけなく死に、継父は人を殺すことを厭わない戦争マシーンで執拗に暴力が繰り返される。少女は最後まで報われることがない。そしてラストシーンがやってくる。

少女は幼い弟を生贄にと要求するパンの誘いを断り、継父に殺されてしまう。現世では肉体は滅びたが、パンから与えられた最後の試練だった。実父と母親が待つ天国へとたどり着けた。現実の世界では暗い森の中で死体となったが、魂は光に満ちあふれた天国にあった。バッドエンドとハッピーエンドが共存した不思議なエンディングだ。ギレルモは後者であると言いたかったのだろうが、そう単純には描かなかった。

肉体と魂の生死を考えさせてくれるファンタジー映画というのは珍しい。いい映画だったと思う。
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【映画】リトル・チルドレン
2007年 06月 05日 (火) 01:03 | 編集
この夏公開予定の「リトル・チルドレン」の試写会に行ってきた。

大人になりきれない大人という意味らしい。パンフレットには、満たされない大人たちの心を癒してくれる、感動のヒューマンドラマとある。

僕はとてもシュールで、とてもやるせない物語として観た。感動はない。しかし、大声で言えない共感があった。
登場人物たちと僕は同種であると思った。

僕自身その時の幸せに気づかず、いわゆる不倫にハマリ多くを失っている。

映画の中での不倫は、結論をボカしているが最後の一歩は踏みとどまったことを匂わせている。

そこで言いたいのは何だったのだろうか?
物語の最後にあった“過去は変えられない。しかし、未来は違ったものになる”なのか?
そのまま駆け落ちしても、元の生活を続けても、字句どおりの解釈になる。

不確かで不誠実な人間の営みを、白黒つけるのではなく、ゆるやかに許容したのではないだろうか。しかしながら、あらゆる現状に満足できない人間の愚かさを遠回しに描いたのではないか。
僕はそう解釈した。

大上段に道徳を振りかざすでなく、湿っぽくなりがちなテーマにも関わらずほどよいユーモアもあり、地味ながらも人間をよく描けた秀作であった。

2006年アメリカ映画。7/28よりBunkamuraル・シネマ他全国ロードショー。
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